■FIREと現実
早期にFIREを達成し、会社勤めや人間関係の制約から解放されたいと思っている人は多い。
今は副業で稼ぐ力を高める方法も、学ぶ方法も、インターネット革命のおかげで多様な形で実現できる。
本当に素晴らしい時代が到来したと思うが、最も重要なのは戦略だ。
FIREを目指して努力を続け、山あり谷ありの数年間を経て、ようやく達成したとしよう。
しかし、それがリゾートのビーチでデッキチェアに寝転がるような生活を意味するわけではない。
40代や50代でそうした生活を始めると、その後の人生に不安を覚えるのは自然なことだ。これは痩せ我慢でもなく、できないから妬んでいるわけでもない。
ただ、1億円程度の資産ではNetflixのドラマに出てくるような生活は到底実現できない。
■人生の7年周期
私の人生哲学では、人生は7年ごとにステージが変わる。
0歳から7年単位で第一期、第二期と区切り、人生の折り返し点である42歳を過ぎた頃から明確にFIREを意識するべきだと思う。
実際に何歳からFIREを始めるかは人それぞれだが、40代はFIREを始めるのに最も適した時期だ。
若いうちは背伸びをしがちで、例えば30代からビジネスクラスに乗り、五つ星ホテルに泊まり、1本3万円から5万円するワインを楽しむような生活をしていたら、その後の人生は破綻するだろう。
贅沢が悪いのではなく、年齢相応の贅沢が重要だ。
人生のステージごとに許される贅沢を考えることが必要だ。
■年代別の適切な贅沢
私の知人で親から土地や工場、顧客を引き継ぎ、自動車関連の会社を経営している若手がいる。
彼は30代後半から「安いホテルなんかには泊まりたくない」、「3万円以下のワインはワインではない」と豪語している。
しかし、彼のように100メートル競争で言えば50メートル先からスタートしている人々の言葉を真に受ける必要はない。
年代によって供される贅沢のレベルが違うのだが、例えば飛行機の搭乗クラスでは自分なりの基準を作っている。
その基準では、30代ではLCC(格安航空)の利用が妥当だと考えている。
42歳から49歳の第7期ではLCCを卒業し、JALやANAのフルサービスエコノミークラスがふさわしい。
見方を変えれば、この年齢になってもLCCにしか乗れないのであれば、少し生活にゆとりがないと言えるかもしれない。
そして49歳から始まる人生第8期ではプレミアムエコノミーやビジネスクラスを徐々に取り入れるべきだ。
感覚的には、半分プレミアムエコノミー、半分エコノミークラスという生活スタイルが理想だ。
そして56歳から63歳の人生第9期ではプレミアムエコノミーを基本としつつ、時折はビジネスクラスを利用する生活が良い。
この年齢でビジネスクラスを利用できないようでは、生活にゆとりがないと言わざるを得ない。ただし、ビジネスクラスはマイルを活用して乗るのが基本だ。
そして63歳以降の人生第10期では、ビジネスクラスを標準とする生活で良いだろう。

短距離の国内便であればエコノミーでも十分だが、5~7時間の国際線中距離便ではエコノミークラスは厳しい。
一度ビジネスクラスに乗るとエコノミークラスには戻れないが、自分なりに「世代ごとの贅沢」を定義しておくと、人生の見通しが立ちやすくなる。

